ラブライバーのためのVtuber解説

 2023年3月29日に、ラブライブ!シリーズから新たなグループ「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」からデビューミニアルバム「Dream Believers」がリリース。  

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 ラブライブ!初のバーチャルスクールアイドルとして2023年2月10日にお披露目となった。

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このお披露目配信で、今までのラブライブ!シリーズと違って“モーションキャプチャー“による3Dアバターを使ったお披露目となった。  

つまり「バーチャル」なキャラクター造形となったのである。  

そんな蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブから、バーチャルアイドルに触れるのが初めてという人もいるだろう。  

 そこで個人的な見解にはなるが、バーチャルアイドル(Vtuber)について少し解説をしようと思う。  

(※個人的にホロライブファン故、ホロライブ中心の解説になることを了承願います。)  

 

Vtuberとは

 まず「Vtuber」とは何ぞや?と思う人もいると思います。  

それは「Virtual(バーチャル)YouTuber/Vtuber」のこと言います。  

 活動媒体は基本YouTubeで配信、投稿活動する人を「YouTuber」と言い、生身ではない“キャラクター”の2Dもしくは3Dアバターを使ってYouTubeで活動する人を「Vtuber」と呼びます。  

またYouTube以外の配信プラットフォームで活動する人と“ライブ(配信)する“で「ライバー」と呼び、 バーチャルアバターで配信する人を「V(バーチャル)ライバー」と呼びます。  

 

 Vtuberはキャラクターのアバターを使うので、キャラ設定があります。  

このアバターのことを「ガワ(側)」と言い、使用者を「」と呼びます。  

そしてそのキャラクターのRP(ロールプレイ)で活動していくのが特徴で、人間以外のキャラクターになることも出来きます。    

獣人や擬人化、異種族…etc  

年齢や性別、国すらも関係無し  

 

そんなVtuberですが、現在(2022年12月時点)人口2万人を超えたと言われています。  

 

 Vtuberが所属する事務所「ホロライブ」と「にじさんじ」が現状2大大手事務所があります。  

 

Vtuberの勢力構成

 現在のVtuber事務所に、ホロライブとにじさんじを先述しました。  

このようにVtuberが所属する事務所を「」と呼びます。  

ホロライブとにじさんじの他にも「ぶいすぽっ!」や「774.inc(ナナシインク)」と言った“箱”がいくつもあり、事務所に所属しているVtuberのことを「企業勢」と呼びます。  

逆に“箱”に所属せずに、個人で活動しているVtuberを「個人勢」と呼びます。  

 この箱の枠を超え、違う事務所に所属しているVtuber同士(個人勢も混ざったりすることもある)でコラボすることもあり、Vtuber界隈全体でコンテンツを盛り上げていくこともあります。  

それぞれの箱に仲が良い人がいて、箱外コラボするもよくある。  

 

 さて、ここでそれぞれの“箱”の違いは何?って思った人もいると思います。  

ホロライブもにじさんじもここ1、2年でよく耳にすると思う。  

どっちもVtuberの事務所で、多数の人気Vtuberが所属しています。  

 

  カバー株式会社が運営するVtuber事務所。   

  アイドルを売りにしていて、女性Vtuber側を「ホロライブ」、男性Vtuber側を「ホロスターズ」として別々に分かれている。  

  メンバーは、ときのそらや星街すいせい、兎田ぺこら、 宝鐘マリン、がうる・ぐらなど YouTubeチャンネル登録者数100万人を超える人気Vtuberが多数所属。  

  また海外での人気もあり、ホロライブEN(イングリッシュ)、ホロライブID(インドネシア)など海外向けのメンバーも所属していて、特に「がうる・ぐら」は YouTubeチャンネル登録者数400万人を超え、全Vtuberで随一のチャンネル登録者数を誇る。  

 

  ANYCOLOR株式会社が運営するVTuber事務所。  

  バラエティーに富んだメンバーが多く所属。

  芸人気質寄りで、男女の垣根はない。  

  月ノ美兎や樋口楓、壱百満天原サロメ、葛葉、不破湊など人気Vtuberがいる。  

  こちらも海外向けのVtuberも所属していて、ホロライブよりも国内外の所属人数がとにかく多い。  

 

  • ぶいすぽっ!f:id:akiba_yuki:20230321220247p:image

  e-sportsに特化した女性Vtuber事務所。  

  FPSをはじめとしたe-sportsゲームが得意なメンバーが所属している。  

  ホロライブ、にじさんじに次ぐ勢いで伸びてきた。  

 

 

こうした箱が他にもたくさんあり、特に大手であるホロライブ、にじさんじにオーディションを勝ちとって所属することがVtuberの夢へとなってきています。  

(ここで一つ現実的な話をすると、もともとVtuberとして活動していて、別の箱に移籍することを「転生」と言います。転生すると、前のアバターやキャラ設定は一切ない物として消して転生後のキャラクターで活動していきます。)  

 

Vtuber界隈用語

 Vtuber界隈にはよく使われる用語がいくつかあり、先述した「ガワ」「魂」「箱」「企業勢」「個人勢」「転生」もその中に入ります。  

他にもVtuberの配信でよく使われる用語をいくつか解説しましょう。

 

  • スパチャ

   YouTubeには、配信中にリスナーがコメントを書く他にもリスナーが投げ銭をする機能があり、この投げ銭を「スーパーチャット(スパチャ)」と言います。  

  スパチャは金額によって、表示される色と時間が変わります。  

  最低金額から、水色黄色オレンジピンク

  金額が多いほど表示時間が長くなります。

  また金額に上限があり、1日に出来るのが5万円までと決まっていて、この5万円のスパチャをすることを「限界赤スパ」と呼ばれることがあります。  

  たまに全色のスパチャをする人もいて、これを「虹スパチャ(虹スパ、レインボー、オーロラ)」と呼ばれます。金額は合計18,800円  

  いずれにせよ、お金なのでご利用は計画的にが一番です。  

 

  • メンバーシップ

  スパチャが出来るVtuberは、収益化がされておりスパチャの収益によってVtuberの生活や配信環境が保たれていると言っても過言ではない。  

  そして、スパチャとは別にメンバーシップと呼ばれる個人ファンクラブみたいな物も設立して、メンバーシップに加入する際に支払われる入会金も収入源の一つとなっている。  

  このメンバーシップには、配信で使えるスタンプが使えたり、メンバーシップに加入した人限定の配信(メン限配信)を観れたり、人によっては壁紙を配布したりと特典がある。  

 

  • 推しマーク/推しマ 

  Vtuberには推しマークと呼ばれるアイコンを決めていることが多く、絵文字1つか2つで表している。  

  SNSなどで、名前に推しマークが付いている場合はそのマークのVtuberのファンであるという証しになっている。  

 

  • ファンネーム

  Vtuberは推しマークと共にファンネームを決めていることが多い。  

  (ラブライブで言えばAqoursのユニットCYaRon!の「しゃろとも」やAZALEAの「トリコビト」、Guilty Kissの「ファミリア」みたいな感じ)  

  推しマークとファンネームを名乗っているファンは、その推しの看板を背負っているという自覚を持って節度ある言動を心がけをしてほしい。

 

  「バーチャル美少女受肉」の略語。  

  主に、男性が美少女のアバターを使い活動するVtuberのことを指します。  

  この時、ボイスチェンジャーで声も変えて美少女になりきるパターンと、そのまま地声でやるパターンの2パターンがあります。  

  前者は「兎鞠まり(とまりまり)」、後者はイラストレーターの「伊東ライフ」や同人サークルCOOL&CREATEの「ビートまりお」が有名です。  

 

  • 親(保護者)

  Vtuberには、キャラクターの“ガワ”があります。  

  このガワをデザインするイラストレーターを「ママ」  

  デザインされたキャラクターを動かすためのLive 2Dもしくは3Dモデルを製作する「パパ」がいます。  

  Vtuberのママには有名イラストレーターが起用されることが多く、イラストレーター自身がVtuberとしてイラスト製作配信することもあります。  

  男性イラストレーターでも基本的にはママと呼ばれますが、人によってはパパと呼ばれることがあります。  

  コミケなど即売会で「Vtuber」が1つのジャンルとして確立しているため、Vtuberのママがサークル出展していた場合、非公式グッズを買えることがあります。  

 

  Vtuberの配信で、そのVtuberの言動を他のVtuberに伝える行為。  

  基本的に鳩NGにしているVtuberがほとんどである。  

  例えば、あるVtuberが「○○って〜だよねぇ」と言ったことを、その○○に「××が〜って言ってたよ」と伝えてしまう。  

  これは両方、気分が良いものではありません。  

  リスナー側もその配信の空気(流れ)を壊してしまうので、Vtuber、リスナー共に嫌われる行為になり、注意が必要です。  

  逆に、Vtuber同士で「この配信は鳩OK」とする場合もあり、その際はほとんどスコアや進捗を勝負していることが多く、鳩によって心理戦を繰り広げる展開もある。  

  配信を観る際は、配信タイトルや概要欄よく読んでルールを守りましょう。  

 

  • 指示コメ/指示厨

  ゲーム配信で、Vtuberがゲーム詰まったり迷ったりすると「〜して」や「〜に行って」など指示をする行為。  

  これも嫌われる行為の一つで、多くのリスナーはVtuberの反応を楽しみにしている為、その楽しみを奪ってしまい、配信の空気を悪くする。  

  またリスナーの中には、その配信が初見と言う人もいるので、ネタバレになってしまうのも懸念される。  

  「ネタバレコメ/ネタバレ厨」もまた同様に、NGとしているVtuberがほとんどである。  

 

 

ここまで挙げてきた用語はほんの一部であり、基本的な物になります。  

細かな用語は慣れてきたら少しずつ覚えていくといいでしょう。  

 

Vtuberラブライブ!

 ここまでVtuberの基本的な話をしてきました。

そんなVtuberの中にラブライブ!が参戦するのが「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」なのです。  

ラブライブ!はコンテンツの形として、キャラクターとキャストがストーリーの要であり、重要なところでもあります。  

 スクスタで、3Dモーションでキャラが踊ってるのを見て、これならラブライブVtuberもありなのでは?と思っていました。  

それが、蓮ノ空で実現しました。  

 

 Vtuberは、モーションキャプチャーで3Dモデルを動かします。  

モーションキャプチャーモーションスーツと呼ばれる特殊な服を着て、マーカーと呼ばれる機器を装着して、人の動きをリアルタイムで撮影し、3Dモデルに同期(ラッキング)して動かす技術です。  

このモーションキャプチャーで、スクスタやウマ娘にダンスシーンが作られています。  

  • 参考

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虹ヶ咲のVtuber璃奈ちゃんがこれになります。  

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 このモーションキャプチャーラブライブシリーズもライブをすればいいのに……と思ったこともあります。  

実際、ホロライブやにじさんじはこれでライブを開催しています。  

先日2023年3月18日19日にホロライブ4thフェスライブが開催されたので、Vtuberのライブがどういう感じなのか参考に観てみてほしい。  

 これを観て、ホロライブが気になった人は自分の推しを見つけて、普段の配信も観てみるといいでしょう。  

 

いつかこんなライブがラブライブ!でも観れるのか蓮ノ空に期待したい。  

 

Vtuberの中のラブライブ!

 Vtuberの中には、もともとラブライブ!が好きと公言している人もいます。  

ホロライブの夏色まつり、雪花ラミィ、鷹嶺(たかね)ルイがラブライブ(μ's)好きを公言していて推しもいます。  

夏色まつりは東條希、雪花ラミィは矢澤にこ、鷹嶺ルイは園田海未  

 

 ラブライブとホロライブがコラボした「#ホロライブラブライブ」という企画で、ラブライブ好き3人が対談したり、ホロライブ所属のVtuberがアニメの同時視聴をする企画がありました。  

twitter.com

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またLove Live!Days2023年1月号と3月号には、先述の夏色まつり、雪花ラミィ、鷹嶺ルイのスペシャルメッセージ、インタビュー記事が載っているので、是非読んでみてほしい。  

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我々と同じオタクとして、共感するところが多いと思います。  

 

 特に、雪花ラミィはラブライブ!が好きのあまり、自身のオリジナル曲をラブライブ楽曲の作曲家に依頼するほどです。  

彼女の1stオリジナル曲「明日への境界線」の作編曲は、μ'sの「START:DASH!!」などを作編曲した佐々木裕さん、サウンドプロデュースをμ'sの音楽プロデューサーだった木皿陽平さん、ディレクターを山田公平さんが担当しました。  

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2ndオリジナル曲「Fleur(フルール)」の作編曲は、μ's「Snow halation」を作曲した山田高弘さんが担当しました。  

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これにはラブライバー兼ホロライブリスナーは驚愕と歓喜に盛り上がりました。  

 

また雪花ラミィ以外にも、星街すいせいのオリジナル曲「NEXT COLOR PLANET」と「自分勝手Dazzling」は、Aqours「MIRACLE WAVE」作曲や渡辺曜「Beginner's Sailing」作編曲の酒井拓也さんが作編曲しています。  

 

 星街すいせいはホロライブ随一の歌唱力を誇り、その歌唱力からVtuber史上初のTHE FIRST TAKEに抜擢されるほど。

その圧倒的な歌唱力で、世界中から賞賛の声が溢れました。  

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ちなみに星街すいせいは、田野アサミさんの大ファンでSaint Snowの「Believe again」のカバー動画を上げています。

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 ホロライブに所属するVtuberは全員自分のオリジナル曲を持っていて、その中には先述のような作家が担当することがあります。  

有名作曲家やボカロPなど多種多様で、虹ヶ咲の中須かすみ「無敵級*ビリーバー」や天王寺璃奈「ツナガルコネクト」を作曲したDECO*27もいます。

また 宝鐘マリンのオリジナル曲「マリン出航!!」は、なんと数々のアニメソングを手がける田中公平さん、「I'm Your Treasure Box *あなたは マリンせんちょうを たからばこからみつけた。(通称:マリ箱)」は公表されていないが、Undertaleで有名なToby Fox氏だと噂されています。  

 天音かなたのオリジナル曲「特者生存ワンダラダー!!」はUNISON SQUARE GARDEN田淵智也さんが、「天使のagape」は魔法少女まどかマギカのOP ClariSの「コネクト」で有名な渡辺翔さんが手がけています。

他にも、堀江晶太さんやヒゲドライバー広瀬香美ZAQピノキオピーなど数々の作家の名前が挙がります。  

 

少し話は逸れましたが、ホロライブを追っているとラブライブに当たることがあります。  

 

 ここで、個人的な話をしましょう。  

ホロライブは、個人的な考えとして虹ヶ咲のような物だと思っています。  

それは、虹ヶ咲の特徴としてμ'sやAqoursと違って個人の集まりだということ。

それぞれのスクールアイドルへの想いがあります。  

 ホロライブも、一人一人個性的で、個の集まりです。  

時にはソロで、時にはユニットで、アイドルとしてのパフォーマンスを繰り広げる。  

そんなホロライブだからこそ、高咲侑の「ヒトリダケナンテエラベナイヨー」な箱推しが多いと思っています。  

 

最後に 

 ここまでVtuberの解説をしてきましたが、ホロライブの紹介のような感じになってしまいましたね(汗  

ですが、Vtuber市場はまだまだ発展途上、これからも拡大していくと考えています。  

コンテンツ、技術共に日進月歩。  

 

 Vtuberの動向と、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは同期して展開されると思われるので、少しでもVtuberを知ると蓮ノ空も楽しく追えると思います。